サガミチケットサービス
市役所近くのごちゃごちゃしたお店。
何屋なんだろう?
金券ショップ?
缶ビール?
衣類もあるぞ・・・?
なんだろう、すごく居心地だけは良い雑多感。
サガミチケットサービスはそんな居心地良過ぎるお店である。
そして、聞いてみると話せば話すほど出てくる「切手」に関する話。
なんと元々は切手商を目指していたとか?
面白すぎることこの上ない。
暴くのにちょうど良い塩梅なお店である。
「好きな切手を毎日整理して、何か雑誌を出してもいいかな」
インタビュー:お店の常連さん
●社長が今のお店を始めようとした経緯を教えてください。
「僕はね、橋本の大和製罐で品質管理をやっていたの。出張が多かったり、クレーム処理だったりが嫌になっちゃって、希望退職制度で退職したんです。それで切手収集が好きだから、切手商を始めました。」
●それがちょうど1995年で20年くらい前ですね。
「うん。でもまぁ切手商じゃ食べていけないわけ。3年間くらい、全然お客さんが来ません。それで金券業界が目立ってきて、『よし、金券やってみよう!』となったのです。まずその当時“ハイウェイカード”。高速の回数券。バスの共通カード。あれがもうべらぼうに需要があった。特に高速道路の回数券がすごかった。テレカもすごい需要あったね。今は携帯ばかりになっちゃったけど。」
●切手って良いですよね。確かに私が小学生の頃は記念切手が発売されると、郵便局の前にずらーっと並んでいましたね。うちなんか父親が私の代わりに買いに行って並んで買ってくれました。
「あの頃が一番の切手ブームでしたね。」
●最高の時代でしたよね。ただそうは言いつつも、今でも趣味で切手を集めている方もいますしね。
「昔は学校でクラスの何人かは切手を集めている人がいたんです。ところが今の若い人は、ゲームとか携帯とか色々やっちゃって、切手集めなんてしなくなっちゃったからね。」
●ところで社長、“サガミチケットサービス”っていうのはどういう由来でつけたんですか?もう単純に相模原だから?
「うん。金券屋っていうのは大抵チケット販売だからね。相模原のチケットのサービスと言うことです。」
●お店で色んな品物が置いてありますけども、おすすめ品はやっぱり金券ですか?
「そうだね。新幹線は6枚つづりの回数券があるんだよね。それをバラで売るわけ。回数券で仕入れるから実際の定価より安いわけ。大阪でやっぱり千円ぐらい安いから、それ使って往復すると二千円になるから飯代が出ます。」
●時々相模大野にバスで行く時、社長のところでバス券買って行くんですよ。ところでお店は衣類がいっぱいありますよね。衣類のリサイクルやっているんでしたっけ。私なんかも時々衣類見るとね、「あ、このシャツいいなー。」って買い求めることがあるんですよ。結構お客さんでも、中高年の方ですけどね、外にぶら下がっているのを見ながら、「あーこれいいわ!」って鏡を見てですね、それで結構買い求めていくお客さんも多いですね。だから今リサイクルがすごい人気あるじゃないですか。フリマなんかでもやっていますけど。そういった意味では物を大事にするという感覚が養えるし、ぽいぽい捨てる世の中だけど、いいですよね。
「うちはね、売ってあげる代わりに2割もらうの。100円の物を売ったら20円貰う。そういうリサイクル。」
●あと時計とか、指輪とか、ネックレス、あとライター類とか、結構置いていますね。ジッポーのライターなんか500円ぐらいで売っていますから安いですよ。そういう形で社長は物を大事にされているんで、そういう気持ちってお店に反映されていますね。
「だから主流は金券、切手関係だけど、それだけでは食べていけません。それで始めたのが貴金属で、次にリサイクルやって、次は缶ビールですね。あれもお酒の免許をとって始めました。」
●私も缶ビールはしょっちゅうここに買いに来ますよ。他のスーパーなんかより安いですから。それでは相模原に住んでいてどんな感じを受けます?
「そうだねぇ・・・よくここまで発展したって感じかな。僕は津久井の鳥屋生まれです。」
●私はね、小さい頃相模原の駅前に住んでいました。でかくなりましたよ。昔桑畑いっぱいあったんですもん。
「まだ16号が砂利道だったし、二本松にいた時はもう桑畑。大体畑の周りがね、桑がとんとんとんとん・・・と。」
●お蚕さんをやっていたね。田名とかあっちでね。私の実家もお蚕やっていました。
「学生の時はあれ、実がなるじゃん。桑の実。その頃は果物がなかなか食べられないからあれを食べていたね。」
●手が紫色になっちゃってね。お蚕さんが葉っぱを食べる音なんかもシャカシャカしていたね。
「だから俺に言わせれば発展しすぎているかなって思いますね。補給廠の問題とかさ、リニアだとか。やっぱり僕ら田舎もんだからさ。今76だけどさ、80になったら田舎に引っ込んで、好きな切手を毎日整理して、何か雑誌を出してもいいかなと考えています。」
●最後になるのかな。社長、お客さんに対して何かメッセージはありますか?
「長年このお店をやっているけど、お客さんが1回来ると必ずまた来るんですよ。市役所とか警察署とかNTTとか魁力屋の近くにあるので、そちらへ来た時の帰りにでもうちへ寄ってください。」
●本当にフラッと入るのにちょうどいいですよね。
「これからはね、色んな人が来るわけ。体弱くて、認知症みたいになって、そういう人をね、いかに元気付けるかなんだよね。あとはまぁ切手の趣味にうんと力を入れていきたいなと思います。」
●ストレス解消ですよね。
「そうだね“サガミチケットサービス”じゃなくて、“サガミコレクションワールド”に名前を変えちゃおうかな。」
●いいんじゃないですか?インパクトありますよ。コレクションワールドってなんのコレクションあるんだろうなーって。
<お店インフォメーション>
住所:相模原市中央区中央2-13-12中川ビル1F
TEL:042-758-9373
FAX:042-758-3332
MAIL:ナシ
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日
駐車場:ナシ
ホームページ:http://www.sagami-ticket.com